グローバル地中海セミナー:小泉文夫と現代エジプトにおける音楽の文化政治学

2024.04.23

本セミナーでは、1960年代半ばにエジプトを訪問した日本の民族音楽学者小泉文夫(1927~1983年)に関する資料を通して、エジプトと日本の文化還流を検討する。エジプト初の国際民族芸術祭の審査員として招聘された小泉は、芸術祭の後、3ヶ月間かけてナイル川の上下流を巡り、民謡や遊び歌、コプト教の賛美歌、スーフィーの儀式、オーケストラ作品などを録音しつつ、音楽調査を実施した。この大規模なプロジェクトは、後に『ナイル沿いの歌』(1966年)という6枚組のアルバムに結実した。本セミナーでは、日・エジプト双方の資料をもとに、エジプトが他者に対し、また他者を通して、どのように、自らを顕示しようとしたかを考察するともに、その動きを20世紀半ばの、グローバルな状況の中に位置づけることを試みる。

日時 2024年5月18日(土)14:00–16:00
場所 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所マルチメディアセミナー室(306) + オンライン
参加のお申し込みこちら5月16日までにお申し込みください)。
使用言語 英語
共催 グローバル地中海地域研究AA研拠点、TUFSフィールドサイエンスコモンズ(TUFiSCo)
問い合わせ emi-gto★aa.tufs.ac.jp (後藤絵美)
★を@に変えてください。

プログラム

14:00-14:10 Introduction (Emi Goto, ILCAA, TUFS)
14:10-15:00 “Fumio Koizumi and the Cultural Politics of Music in Modern Egypt” (Nicholas Mangialardi, Williams College)
15:00-16:00 Discussion


講演者紹介:

Dr. Nicholas Mangialardi is a scholar of Arabic literature and music whose research focuses on modern Egypt. He is a Visiting Assistant Professor of Arabic Studies at Williams College (USA). His publications have appeared in the International Journal of Middle East Studies, the Arab Studies Journal, and the Middle East Journal of Culture and Communication. His recent work explores cultural exchanges between modern Egypt and Japan through the lens of literature and popular culture.